743曲げヤング係数と曲げ強度の関係
「1.2.1 強度のばらつきと基準強度特性値0Fの算定法」で述べたように、木材はばらつきを有する材料です。木材の強度設計を行う上で重要なことは、木材の有する強度以上の外力が作用しないようにすることです。
図 40に示すように、木材(部材)の強度性能もばらつきますが、外力にもばらつきがあります。つまり、たまたま弱い部材が使われているところに、たまたま大きな外力が作用すると部材の破壊が起こるのであり、その危険を考えて木材の強度設計を行う場合には強度分布の5%下限値が用いられます。しかし、よく考えてみると、強度性能の高い材料にとっては、強度性能の低い材料に能力を合わせることになってしまい、合理的な利用の観点からは「もったいない」ことをしているといえます。
あらかじめ、木材の強度性能を知ることができれば、部材を強度性能別にグルーピングし、それぞれのグループに応じた基準強度を設定した方が合理的です。そこで、ある程度の強度グルーピングができないかと考えますが、実際の強度は破壊しないと分かりません。この問題を解決するために、曲げ強度を予測する何らかの非破壊的な指標を探すことになります。木材強度の非破壊的な指標には、密度、年輪幅、曲げヤング係数など様々な指標が考えられますが、図 41に示すように、現在の科学では曲げ強度を予測するのに最も相関性の高い指標は曲げヤング係数です。この曲げヤング係数を指標とした強度グルーピングが機械等級区分です。
あらかじめ、木材の強度性能を知ることができれば、部材を強度性能別にグルーピングし、それぞれのグループに応じた基準強度を設定した方が合理的です。そこで、ある程度の強度グルーピングができないかと考えますが、実際の強度は破壊しないと分かりません。この問題を解決するために、曲げ強度を予測する何らかの非破壊的な指標を探すことになります。木材強度の非破壊的な指標には、密度、年輪幅、曲げヤング係数など様々な指標が考えられますが、図 41に示すように、現在の科学では曲げ強度を予測するのに最も相関性の高い指標は曲げヤング係数です。この曲げヤング係数を指標とした強度グルーピングが機械等級区分です。