71製材の等級区分の判定について
本試験で使用した断面寸法(スギ120×240、ヒノキ105×180)の平角材は、製材の日本農林規格 (http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_40.pdf) での甲種構造用Ⅱに該当します。
等級区分は目視等級区分と機械等級区分があります。
それぞれに品質基準が定められていますので、以下に主な測定方法と判定基準を記します。
711目視等級
712機械等級
基準強度を算出する際のデータとしては、曲げ強度試験により判定した機械等級を採用しています。なお、非破壊試験との相関を調べるために、下記の試験も行っています。 非破壊でヤング係数を測定する方法は、製材に直接荷重をかけてたわみを測定するストレス式などいくつかの方法がありますが、最も簡便で、一般的な方法は縦振動法です。縦振動法では、以下の図のように製材の木口をハンマーで打撃し、1次の固有振動数(f)を計測します。寸法(長さL、断面寸法)、重量測定により、みかけの密度(ρ)を算出し、以下の式により動的ヤング係数(Ef)を求めます。
本試験で得られた動的ヤング係数と曲げヤング係数の関係を示します。
Ef=(2fL)2 x ρ
曲げヤング係数と動的ヤング係数が高い相関関係にあることから、縦振動法により容易に機械等級区分することができます。測定は携帯型の低価格な装置やFFT解析のフリーソフトがインストールされたパソコンとPC用マイクがあれば特別なグレーディングマシンを導入することなく、機械等級区分を行うことができます。本試験で得られた動的ヤング係数と曲げヤング係数の関係を示します。