一般社団法人 愛知県木材組合連合会

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平成28年11月

愛知県産材利用の手引き

愛知県産スギ・ヒノキの基準強度及び横架材スパン表

2愛知県産スギ、ヒノキの強度性能

21平角材の曲げ強度試験

本試験は県産材の曲げ性能を明らかにし、県産スギ、ヒノキの基準強度を算出することを目的として、平成26年度に愛知県森林・林業技術センターで平角材の曲げ強度試験を実施しました。

211丸太と製材

ss_20151014111520本試験で使用した丸太は、末口径30㎝程度のスギ丸太(n=122)と、末口径24㎝程度のヒノキ丸太(n=88)です。各産地(図 1)から、県内主要市場におけるそれぞれの地域の出荷割合によって案分した試験体数を集めました。
製材の仕上げ寸法は以下のとおりです。
ス ギ:120×240㎜、長さ4m
ヒノキ:105×180㎜、長さ4m

212乾燥

平角材は、天然乾燥または人工乾燥により乾燥させました。
天然乾燥は、2014年7月から数ヶ月間屋外で桟積みして自然乾燥しました。人工乾燥は、蒸気式乾燥機で3週間、中温域で実施しました。含水率20%程度に到達した試験材から曲げ試験を実施しました。
よって、本スパン表では、内部割れ等により強度低下の可能性がある高温乾燥材には対応していません。 ss_20151014115037

213製材の曲げ試験

支点間距離3600mm、荷重点間距離1200mmの3等分4点荷重方式により実大材強度試験機を用いて実施しました。各荷重時のたわみや破壊時の荷重を基に、曲げヤング係数(Eb)及び曲げ強さ(Fb)を算出しました。曲げヤング係数及び曲げ強度性能値の標準試験条件への調整については、「構造用木材の強度試験法」((財)日本住宅・木材技術センター2011年3月発行)の調整方法に準じ、標準とする梁せいh=150mm、スパン=18hに調整しました。含水率補正は以下の式により15%時に調整しました。
<寸法効果調整係数>
Eb:((1+2.4h2(E/G)/(3L2-4a2))/((1+2.4h02(E/G)/(3L02-4a02))
h:試験材の梁せい、h0:150㎜、 E/G=15
L:試験時のスパン、a:荷重点支点間距離、L0,:18h0、a0:6h0
Fb:(h(S+0.2L)/(h0(S0+0.2L0))0.2
h:試験材の梁せい、h0:150㎜、
L:試験時のスパン、S:荷重点間距離、L0,:18h0、a0:6h0
<含水率調整係数>
Eb:1.14/(1.44-0.02・m)
Fb:1.25/(1.75-0.0333・m)
m:試験時の含水率(%) 18%以上はすべて18,10%以下はすべて10

22曲げヤング係数分布と基準強度の算出

221曲げ性能

県産スギ材の曲げ性能については、曲げヤング係数(Eb)が7.8±1.2GPa(mean±SD)、曲げ強度(Fb)は45.8±9.5N/㎜2(mean±SD) と、それぞれ全国平均より若干高い値でした。
ヒノキは、曲げヤング係数10.4±1.3GPa(mean±SD)、曲げ強度は60.0±10.6N/㎜2(mean±SD)でした。
機械等級区分では、スギはE70以上が91%、ヒノキはE90以上が98%を占めました。 ss_20151014140504 ss_20151014140248

222基準強度

実験結果から算出した愛知県産スギ・ヒノキの基準強度は、表1、表2のとおりとなりました。なお、データ数の少ない等級については、信頼性の問題から基準強度を算出しませんでした。
75%信頼水準95%下側許容限界値から算出した曲げ強度下限値(基準強度)は、目視等級間より機械等級間での差が大きく、強度区分の効果が明確に現れました。 ss_20151014140710